[用語解説]

- LASER -

レーザーとは「誘導放射による光増幅(Light Amplified by Stimulated Emission of Radiation)」の略称であり、アインシュタインの提唱した「光の誘導放出」理論に基づき開発された技術である。
ある周波数の電磁波が分子に衝突すると、通常、分子は電磁波を吸収してエネルギー準位を上げる。しかし、それは安定した状態とは言えないので、もともと高いエネルギー準位にある(励起状態にある)分子に電磁波が衝突すると、分子はそのエネルギー準位を下げ、同位相の(コヒーレントな)電磁波を放出する。これによって電磁波の強度が2倍になるのである。
あらかじめ励起状態の分子密度を高くし、反射鏡を使って電磁波を往復させることによって放射されるコヒーレント光を強くする装置がレーザー発生装置である。
レーザー光にはコヒーレントであるという特徴の他に、収束性(ビームダイバージェンス)が良い、指向性が良い等の特徴がある。超長距離でも安定した収束性を得られるビームとしてレーザーは重要な位置を占める。
しかしながら、エネルギー密度の高い高出力なレーザーには励起状態を作り出すための莫大な電力が必要になるという欠点がある。

- レーザー爆弾 -

レーザー爆弾には2種類のタイプがある。
1つはレーザー誘導爆弾。レーザー光の指向性を生かしてその反射光によって爆弾を誘導する誘導方式である。一般にスマート(賢い)爆弾と呼ばれる。
もう1つはレーザー核融合爆弾である。核融合反応を起こすためには原子核をクーロン反発力に逆らって衝突させなければならない。古いタイプの核融合爆弾(水素爆弾)は、そのために内部に核分裂爆弾(原子爆弾)を内蔵し、その爆縮によって核融合を起こしていた。レーザー水爆では、高出力パルスレーザーを使用することにより、瞬間的に高エネルギー状態を作り出し、核融合を起こすのである。

- レールキャノン -

電磁誘導の法則を使って弾体を加速する砲をレールキャノンと呼ぶ。
2本の導体レールの間に導体の弾体を摺動状態で置き、大電流をレールと弾体の間に流す。するとアンペールの法則に従ってレール間に磁界が発生し、この磁界と弾体に流れる電流との間でローレンツ力が生じる。これによって弾体が加速される。
この方法を用いれば、レールと弾体との接触摩擦を小さくすれば、レールの長さと電流の大きさに依存して弾体の初速は大きくすることができ、極めて高速で弾体を打ち出すことが可能になる。
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